Vol.25
19年度海外短期研修旅行」

 国際化の時代を迎え、将来、本校の多くの卒業生に外国企業との取引や海外出張の機会があると思われます。国際ビジネスにおいて重要な語学力や常識は一朝一夕には身につきませんが、異国での体験は、きっと進歩のきっかけになることでしょう。さらに、異文化に興味を持てば、その後の努力も楽しいはずです。
 このたび、昨年の上海市訪問に引続き、海外短期研修旅行を米国ミシガン湖畔の建築とモニュメントの街、シカゴに向けて計画し、実施しました。研修中は、ローズベルト大学、イリノイ大学工学部、世界屈指の博物館や美術館、地元で人気のスポットを訪れ、米国学生の生活ぶり、シカゴの日常や文化を間近に見ることができました。なお、これら研修先への移動はすべて公共交通機関を利用しました。 

参加学生:30名 引率教員: 3名 

39日(日)

新居浜東港〜東予港〜大阪南港

夜、新居浜東港、東予港で大阪南港行に乗船後、シカゴでの自由行動計画(313日分)について、各班で案を作成した。それぞれの計画は、引率教員がチェック。皆、期待と不安に胸を膨らませている。時差を調節するために、船内では徹夜状態。トランプで盛り上がる班や、英会話の勉強会をしている班など様々。



310日(月)

大阪南港〜関西国際空港スカイヴューおよび二期工事見学

出国手続〜搭乗

翌朝、大阪南港で関西空港交通バス(貸切)に乗車し関空へ移動。スカイヴューと二期工事現場を見学。空港島の地盤を安定させるメカニズムについての説明を受けた。

出国手続きを完了したら、もうそこは海外。日本の土地の上にいるのに不思議な気持ちになる。北ウィングに移動。 ノースウエスト NW70便1250分発デトロイト行に搭乗。

機内の様子と機内食

関西国際空港からデトロイト・メトロ空港までの所要時間は約12時間である。機内食は2回出てきた。味に関しては、特に不満を言う者はいなかった。英語で飲み物を聞かれるので、ここで初めて簡単な英会話を使う。アメリカでは、Coffeeの発音を間違うとCokeと聴きとられてしまう。要注意である。


アメリカ入国、デトロイトからシカゴ行に乗継

オヘア空港から地下鉄でシカゴ市内へ移動
デトロイト・メトロ空港到着。時差の関係で、31012時頃到着。日本より13時間遅れの時差。ここでまた英会話を実践。今度は、旅行目的や滞在期間を英語で言わねばならない。また税関審査でも申告なしの旨を伝えなければならない。緊張の瞬間である。 オヘア空港到着。デトロイトから時差1時間遅れ。日本との時差は14時間。オヘア空港から地下鉄でシカゴへ移動。公共交通機関を利用した。Blue LineUIC/Halstead駅まで移動。

ホテル到着 夕食会:シカゴ名物Stuffed Pizza
Blue Line UIC/Halstead駅下車、クラウンプラザ・シカゴメトロホテルに到着。 イリノイ大学シカゴ校(UIC)の近所にあるピザ屋(Giordano’s; 815 W Van Buren)でシカゴ名物Stuffed Pizzaを食べた。皆、巨大ピザに圧倒される。これがまさにアメリカンである。UICの学生が多く利用しているそうである。


311日(火)
朝の街を徒歩で移動、ミレニアムパークへ
朝の通勤ラッシュ前の街を徒歩で移動。ホテルからMillennium Parkへ。途中、駅のファーストフード店に立ち寄り、朝食を摂った。食べるためには英語で注文しなければならない。皆、なんとか頑張った。昨晩のピザのせいか、あまりお腹はすいていない。にもかかわらず、注文すると大量の朝食が。。。

シカゴ科学産業博物館の見学
かの有名なUボートの実物(写真右)、アポロ8号司令船の実物(写真中央)を展示していた。高専の学生とっては興味のあるものばかりであった。

ミレニアムパーク見学
ミレニアムパークはシカゴの観光スポットの一つである。コンサートホールやシアターなどがある。ジェイ・プリツカー・パビリオン(写真左)とクラウドゲート(写真右)などのモニュメントが有名。天候が良かったので、ミレニアムパークから望むミシガン湖もまた格別であった。

夕食会:ギリシャ料理

宿泊しているホテルのすぐそばのギリシャ人街にあるギリシャ料理店(Rodity’s; 222 S Halstead)でコース料理を堪能した。
(a)スープ、(b)チーズの揚げ物、(c)ラム肉のロースト、(d)地中海風サラダ、(e)チキンの香味揚げ、(f)ギリシャ風焼き飯、(g)シナモンパイのシロップ漬け、(h)コーヒー
どの料理も大量のオリーブオイルを用いており、味付けにはチーズを用いているのが特徴。

(a) (b) (c) (d)
(e) (f) (g) (h)

NBL観戦

ユナイテッドセンター(1901 W Madison St.)で、Chicago Bulls vs. Utah Jazzの試合を観戦。Bullsはマイケルジョーダンがかつて在籍したチームである。さすがに本場は迫力が違う。311日の試合結果は以下のとおり。

Game Sixty-Four 03.11.08
Bulls 108, Utah Jazz 96



312日(水)
朝の街を徒歩で移動、ユニオン駅へ
“世界の車窓から”でも紹介されたシカゴ・ユニオン駅。かつての大陸横断鉄道の駅として栄えた場所である。グレート・ホール(写真中央と右)と呼ばれる待合所は映画の撮影や結婚式などにも利用されている。グレート・ホールを抜けると通勤列車のホームがあり、そこには多くのファーストフード店が並ぶ。この日の朝食はここで摂った。

商品取引所、野外モニュメント(シャガール、ピカソなど)の見学
シカゴ商品取引所(CBOT)(写真左)と州政府ビルであるジェームス・R・トンプソン・センター(写真右)。トンプソン・センターの内部は大きな吹き抜けになっている。1Fにはショップが並ぶ。
シカゴの街は野外展示場と言われる程、一流の作家や地元のアーティストによる彫刻が見られる。

作者:カルダー
フラミンゴ(1974
フェデラルセンター前

作者:ミロ
シカゴ(1967
ブランスウィックプラザ

作者:ピカソ
シカゴ(1967
デイリープラザ

作者:シャガール
モザイク(1974
チェイス銀行前

作者:デュビュッフェ
トンプソン・センター前


Roosevelt大学を見学(案内、講話: Lumia Lazar 教授)

Lazar教授にオーディトリアムキャンパスを案内していただいた。また、教授の音楽に対する哲学を聞かせていただいた。大学内の階段、壁、天井など、いたるところに見事な装飾がなされていた。さすが芸術系の大学といったところ。


Illinois大学シカゴ校工学部を見学(講話: Daniel Graupe教授)
Graupe教授(IEEE Life Fellow)の研究成果を紹介していただいた。脊椎損傷のために下半身不随となった人でも自分の力で歩けるようになる、画期的なシステムに関する説明であった。このシステムは、足の筋肉にプログラム的に電気刺激を与え、あたかも自分で歩いているかのように制御する。教授の開発したこのシステムは、この種の製品としては唯一FDAで認可され実用に至っている。学生からは英語による活発な質問がなされ、有意義な時間を過ごした。

マグニフィセントマイルとジョンハンコックセンター展望階
Michigan Ave.のシカゴ川から北側Oak St.までの間は通称“マグニフィセントマイル”と呼ばれ、高級ショップが並ぶ。通りを北へ歩いていくと、ウォータータワーとシカゴで3番目の高さを誇るジョンハッコックセンター、通称“ビッグ・ジョン”が見えてくる(写真左の黒いビル)。写真中は、ビッグ・ジョン94階にある展望階からミシガン湖、ネイビーピア方面を眺めた風景である。写真右は、ビッグ・ジョンの下にあるレストランである。

夕食会:シカゴ名物 Primary Rib Roast
リブ専門店(Fireplace Inn; 1448 N Wells)で、シカゴ名物のスペアリブを堪能した。ケッチャップベースのソースを使っており、油っこいが、さほどしつこくない。学生には好評であった。写真左の緑色の飲み物はレモネードである。

シカゴの夜景
この写真は、宿泊したホテルの近隣で撮影したものである。高層ビルの灯りは、夜になると素晴らしい景観を醸し出す。


313日(木)
班別自由行動(その1): シェッド水族館
世界最大の屋内水族館である。入場した時間帯が良かったので、イルカショー、水槽内でのダイバーによる餌付け、などのアトラクションを見ることができた。アトラクションやギャラリーすべてを見ると半日はかかる。

班別自由行動(その2): フィールド自然史博物館
恐竜の化石展示で有名な博物館である。シェッド水族館の前にある。恐竜以外にも様々な展示がある。

班別自由行動(その3): マグニフィセントマイルで買い物
写真左は、レゴ・ストアーに飾られていたダースベイダー。写真中央は、Michigan Ave.を北に見ており、ウォータータワーが左に、ビッグ・ジョンが右に見える。写真左は、ルイ・ビトン。ビッグ・ジョンを少し北に行ったところにある。この辺の地理にも慣れてきたが、残念ながら今日が最終日。

班別自由行動(番外): ミシガン湖畔〜マグニフィセント〜ホテルまで散歩
シェッド水族館前から見た景色 シカゴ川対岸からマグニフィセントを見る。左側はMichigan Ave. Westin River North


314日(金)
オヘア空港へ移動〜出国手続き〜デトロイト行へ搭乗
UIC/Halstead駅でBlue Line オヘア空港行を待ちつつ、シカゴに別れを告げる。名残惜しそうな学生たち。 オヘア空港で出国手続きを済ませ、ゲート前の待合所で休憩中。 ノースウェストNW1244便の機内から見たミシガン湖。

デトロイト・メトロ空港〜関空〜大阪南港
オヘア空港で出国手続きをしたので、デトロイト・メトロ空港では乗継のゲートへ向かうだけ。免税品を買う時間はほとんど無かった。314日(金)ノースウェストNW69便1535分発大阪行に搭乗。 ノースウェストNW69便の機内から見た、カナダ上空。日本へは315日(土)の19時頃到着。デトロイトから約14時間のフライト。 日付変わって315日(土)夕方関空着。入国審査が終わり、関空から大阪南港へ移動。写真は大阪南港の待合室で。久々の日本食がカップラーメンの学生たち。

大阪南港〜東予港  解散
316日(日)610分、東予港に着岸。解散。

おわりに
学生の殆どが、英会話がうまくできないもどかしさを感じていました。しかし、食事をするためには自分で注文しなければならないので、英語を使わざるを得ません。また、道が分からなければ、英語で聞かねばなりません。皆それぞれ苦労したと思いますが、各班で協力し合ってなんとか切り抜けてくれました。また、シカゴの人々がとても親切で、地図を見て立ち止っていたり、困ったしぐさをしたりしていると、すぐに声をかけてくれました。研修中に何回か助けていただいたことを覚えています。今回の研修を実施するにあたり、後援会のご支援をはじめとして、保護者の皆様のご理解、校長先生ならびに教職員皆様のご協力により無事終了することができました。この場をお借りして御礼申し上げます。



「ディジタル技術検定 文部科学大臣奨励賞(団体)」の表彰

「ディジタル技術検定」は、コンピュータのディジタル回路や制御回路などのハードウエア、プログラミングに関するソフトウエアおよびネットワークなどの情報通信の知識を問われる技術検定です。文部科学省後援で財団法人実務技能検定協会の主催により毎年実施されています。平成19年度において一番成績が優秀な受験団体として新居浜高専が選ばれ、2月29日(金)に「ディジタル技術検定 文部科学大臣奨励賞(団体)」の表彰を受けました。
 今回は平成19年11月25日に、本校の電子制御工学科(20名)と電気情報工学科(12名)の学生が受験しました。結果は、2級(情報部門)に3名、2級(制御部門)に1名および3級に29名の受験者全員が合格でした。
 なお、本校の累計の合格者は671名にもなります。また、団体表彰では平成7年度に「団体優秀賞」、個人表彰では平成11年度に「文部大臣奨励賞(2級制御)」など数多く受賞しています。

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