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校報



最前線レポート


□■新居浜高専 メールマガジン■□ Vol.100 (2014.7.1)
◇在外研究員・内地研究員・高専間交流教員からの近況報告

 ○ 生物応用化学科 西井 靖博 准教授(アメリカ・アイオワ大学)
 ○ 数理科 三井 正 准教授(豊橋技術科学大学)
 ○ 電子制御工学科 栗原 義武 教授(香川高専へ異動)
 ○ 電子制御工学科 真鍋 知久 講師(香川高専から異動)




○ 生物応用化学科 西井 靖博 准教授(アメリカ・アイオワ大学)
 現在、私は高専機構の在外研究員制度によりVisiting scholarとしてUniversity of Iowaで研究に従事しています。アイオワ州はアメリカの北中部に位置し、大学のあるアイオワシティの人口は7万人で新居浜市の半分といったところです。
 指導教員のDr. Nuxollが、Big university in small cityというように、小さな町に非常に大きな大学があり、それが町の雰囲気全体を作っているように感じます。昔アイオワシティは州都であったらしく、大学のある敷地内の中心にOld Capitol Town centerという由緒ある立派な建物が建っています。また町のいたるところにHerkyという身長150cmぐらい大学のマスコット像が立っており、大学キャンパス内はHawkeyesという大学のクラブチームの愛称がプリントされた服を着た学生が大勢歩いています。学生、教員、市民をあげて大学愛の伝わってくる町です。
 日本とは朝と夜がほぼ逆である時差にもだいぶ慣れ、生活も落ち着いてきました。住んでいるところは大学から少し離れたコーラルビルという田舎町です。朝は早くから鳥のさえずりが聞こえ、夜は8時頃まで明るく、空が広く緑が美しいアメリカの田舎のイメージそのものです。妻や子供たちは、近くの芝生で遊んだり自転車で少しのところにあるモール街へ行ってショッピングしたり楽しんでいます。私の子供たちは外国の生徒が比較的たくさん居るインターナショナルな地元の中学校へ通っています。英語がわからないなりに毎日刺激を受けて帰ってきます。
 アイオワ大学についてもう少し詳しくお話ししましょう。1847年創立で学生数は、学部生は1万人、大学院生は2万人で合計3万人を越えます。留学生も広く受け入れており、インド、中国、韓国の学生も多くキャンパス内を歩いています。施設はアメリカ独特の様式となっており、とにかくドアが多く窓は開けられません。全建物の入り口にICカード入退室システムがあり、全館空調システムが完備されており365日24時間同じ温度、湿度に保たれています。研究室では蒸留水が蛇口に供給されており、ちょっとした実験用の器具は”chemistry store”なる購買が大学内にあり、教授のカードを持っていつでも買いに行けます。設備としてはUV-Vis検出器、真空乾燥機、ドラフトなど日本と変わりませんが、ゆったりとした雰囲気があるなあと感じています。また安全教育が徹底しており、試薬の管理や廃棄物処理などに関するオンラインテストと実地訓練を受けないと、実験を始められないという規則になっていました。
 さて、研究については新しい内容を指導していただいて、勉強しながら学生時代に戻ったように実験に勤しんでおります。私のプロジェクトは、ドラッグデリバリーシステムのための薬剤放散膜の構築という内容です。体内に時間差で薬剤が放散するように薬剤を包んでいる膜の素材を変化させて、最適な放散挙動になるように設計することが目標です。とてもやりがいのあるプロジェクトで日本に戻ってからも研究を続けられればと思っています。
 まだ1か月足らずですが、研究に関しても英語に関してももっともっと勉強してたくさんのことを吸収してきたいです。
 今回はここらへんで。

○ 数理科 三井 正 准教授(豊橋技術科学大学)
 数理科の三井です。内地研究員という制度により、平成26年4月1日から10か月の予定で、豊橋技術科学大学で研究を行っています。
 豊橋技科大は愛知県にあるのですが、名古屋市はかなり遠くて、静岡県の浜松市や浜名湖はすぐそばという感じの場所になります。先日自転車で走っていると、富士山展望台というところがありそこからは実際に富士山が見えました。地元の方に教えていただいたのでたぶん間違いないと思われます。個人的にはすごく驚いたのですが、静岡県の隣ですから見えるのが当たり前なのかもしれません。
 技科大という大学は、豊橋以外に新潟県の長岡市にもありますが、高専卒業生を3年次編入生として受け入れることを目的として作られた大学です。高校から入学してくる学生はあまりいません。普通の大学なら、高専卒業の編入生は少数派になりますが、技科大では大多数をしめています。
 私は情報・知能工学系の三浦先生の研究室でお世話になっていますが、留学生を除いた研究室所属学生17名の中で、高専以外から入った学生は1名です。そんな高専卒業生ばかりの大学なのですが、新居浜高専の卒業生には今のところまだ1人しか会っていません。大学院博士課程の2年生の学生でした。
 豊橋技科大ではほとんどの学生が大学院修士課程へ進学します(博士課程はさらにその先です)。まあ、工学系の大学ではどこも似たようなものだと思いますが。三浦研究室でも就職活動をしているのは修士課程2年生だけで、学部4年生は進学するので就職活動はしていません。企業関係では実務訓練の話が出るくらいです。4年生は卒業研究の発表を年内に終えて、1月から2ヶ月間の実務訓練に行くことになっています。JAXA(宇宙航空研究開発機構)に行くという話を聞いてうらやましく思ったりしています。
 三浦研究室のメンバーはロボット関係のソフトウェアの研究をしています。先日、豊橋市のマスコット「トヨッキー」のロボットが作られたのですが、このロボットの制御部分は三浦研究室で受け持っていました。また、いろいろな団体が研究室見学に来て、その際には学生がロボットのデモをしたりしています。そのような研究室で、私はロボットの視覚についての研究をしています。
 豊橋での生活も2ヶ月以上になりました。少しは慣れてきた感じですが、これからもいろいろと見て、聞いて、新居浜に戻ったときに学生に話ができるようにしておきたいと思っています。

○ 電子制御工学科 栗原 義武 教授(香川高専へ異動)
 新居浜高専のみなさま、電子制御工学科のみなさま、ご無沙汰致しております。高松に来てから、もう2ヶ月が過ぎてしまいました。お変わりありませんでしょうか。
 現在、電子制御工学科に眞鍋知久先生が、香川高専高松キャンパスからいらっしゃっていると思いますが、人事交流制度のもとで、私は、逆に眞鍋先生と交代で、現在、香川高専機械電子工学科に来ております。新居浜高専も香川高専も、同じ四国内の国立高専なので、大部分は似ていますが、違っている点について、いくつか気づいたことを報告したいと思います。
 4月の最初は、まず、入学式です。香川高専は高松キャンパスと詫間キャンパスがありますので、合同で実施されます。7学科の入学生が収容できる会場が、高松と詫間の中間付近にあり、そこでの実施になりました。香川高専の正式名称は、香川高等専門学校で、新居浜高専と違い、「工業」が名称に入っていません。
 5月11日(日)には、授業参観がありました。こちらは、新居浜高専でも10月に実施していますが、似たような感じです。私は、2年生の実験実習を担当していますが、何名かの保護者の方が参観に来られていました。低学年の保護者が多く、高学年の保護者が少ない点も良く似ています。違う点としては、香川高専高松キャンパスでは、この日を中心に5月9日(金)から5月15日(木)までの一週間をオープン授業としていることです。参観日に来られなかった保護者のためもあるのでしょうが、この期間内に、先生方は、他の先生の授業を最低2科目参観しなければならない点にあります。他の先生の授業の様子を参考にしたり、自分で気づいていなかったところを指摘していただいたり、久しぶりの緊張感がありました。
 5月16日(土)は体育祭がありました。新居浜高専では、今はクラスマッチですが、20年ほど昔には、秋に体育祭をやっていました。高松キャンパスの体育祭には、ほぼ全学生が参加していました。カリキュラムの変更で体育の時間数が少なくなったので、体育祭も体育の時間数にカウントされていて、休むと留年とか何とか。(他の先生との雑談なので、半分冗談かも知れませんが、それも関係しているようです。)クラス対抗リレーでは、担任の先生がアンカーで走っていました。体育祭当日の服装は、制服でなくても良く、体操服で登校しても良いし、クラスで統一したTシャツをほとんどのクラスでそろえていましたが、それを着て登校しても良いとのことで、担任の先生も統一した服装で、大変盛り上がっていました。
 また、今後も、いろいろと違った点を経験することになるかと思いますが、今のところは以上です。新居浜高専も、今年度からセメスター制への移行とのことですが、いかがでしょうか。高松キャンパスも同様ですが、私にとっては初めての経験なので、逆に永年の習慣の違いがわからない状況なのですが、新居浜高専に戻ってから、今までの感覚との違いに戸惑うことになるか気になるところです。それでは、失礼致します。

○ 電子制御工学科 真鍋 知久 講師(香川高専から異動)
 高専間の人事交流で、香川高専高松キャンパスからやってきました。1年間という短い期間ですが、新居浜高専の良いところをたくさん学ぶとともに、香川高専で培ってきた経験が新居浜高専の役に立てられるよう頑張ります。
 私は平成10年度に本校電子制御工学科を卒業しました。今回、母校で教鞭をとる機会に恵まれました。16年の月日がたち、新居浜高専周辺も大きく様変わりしました。駅からの大きな通りができ、駅周辺も姿を変え、便利になった反面、見慣れた景色がなくなった寂しさも感じるところです。新居浜高専の校舎施設も大きく変わりました。私が学生だった頃は、専攻科棟ができたころでしたから、生物応用化学科棟や女子寮が増え、多くの建物がリフォームされています。そういった中で学生のころと変わっていない、電子制御工学科棟内や体育館などは、学生のころに戻った懐かしさを感じさせてくれます。
 香川高専との大きな違いを感じるのは、やはり服装でしょうか。香川高専は3年生まで制服ですので、特に3年生が大人びて感じられます。また、高松キャンパスは寮の規模が全国の高専でも最小クラスでしたので、寮生が多く、県内外から幅広く学生が集まっていると感じます。私は通学生でしたが、高校生の年代で幅広い地域の学友と親交を持てるのは、視野を広げる高専の良さの一つだと思います。学生会や部活動などで学生が主体的に動いている姿も、この数か月間でよく見かけてきました。
 非常に意欲的で熱意のある学生を多く見かけるなか、時々意欲を失っている学生を見かけるのがOBとしては残念です。在学生の皆さん、中にいるとき―在学生のとき―は、わかりにくいですが、高専という環境はモノづくりを学ぶ上では、非常に恵まれた環境です。
 実験や実習など、いやいややっていませんか?社会に出る、あるいは大学に進学すると、今のように自由にモノに触り、作る機会はなかなか与えてもらえません。私は大学での物足りなさに、電気電子系から情報系学科に進路変更してしまいました。
 レポートを書きたくないとか思っていませんか?学生のときは大変ですが、あとでありがたみが身にしみます。私は大学に進学しましたが、同世代の大学生と比べて、実験実習でも卒業研究でもかなり余裕をもって取り組めました。私は大学3年編入時には、単位修得の関係で週に2学年分の実験がありましたが、実習も手早く終えられるし、レポートにも書き馴れていました。高専で学んでいることは、実践的な意味では同年代の学生と比べてはるかに進んでおり、私は十分以上に血肉になったと思っています。
 とりとめのない文章になってしまいましたが、母校の、そして母校に通う後輩たちのために頑張っていきます。

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